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![]() (堀千里「鏡の国の家」) ここのところ、しばし誰かと話すときの自分の声や話し方、その場の雰囲気にぞっとすることがある。 「ぞっとする」というのは、驚いているのでも、不快に思っているのでもない。 驚いているのでも、不快に思っているのでもなく、どことなく怖がっている様子である。 私がそこに垣間見るのは母の姿である。 誰かと話しているとき、私は自分の声が母の声とそっくりであることに気づく。 間の置き方や、話す声のトーン、その展開の仕方までもが母のそれらとそっくりであることに気づく。 こうなると、話しているその場と自分と母が喋っている場が二重化してくる。 このとき、私はぞっとする。 一瞬は恐怖の波となり、私自身をあるときの私へと連れ戻す。 小さな頃、鏡を見ては自分の顔がみんなとは違うと思い「本当に自分は人間なのだろうか」と思った、そのときの私と胸の重さである。 しかし今やその問いは、知らない間に母を真似ることで少し気を落ち着かせて、今度は「自分とはいったい誰なのか」という問いへと形を変えて、また私の眉間に不安の皺を生じさせている。 最近この鏡の瞬間がとっても怖い。 ■
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by LIFEWORKERS
| 2012-11-08 01:45
| kagaminosnakanosekai
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神戸在中の大学院生。
自分の考える世界をことばで伝えられるように論文作成の訓練中。 最新のトラックバック
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